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執筆者の写真ic-Myn(いくみん)

ワクチン

 新型コロナワクチンの接種ができていない。




 当然といえば当然なのだが、接種のスピードであったり、都合に合わせた調整の利きやすさであったりは職場・職種によってだいぶ違う。


 そしてどうやらこの違いは、個人個人の危機感の持ち方にまで影響してしまうようだ。




 先日それ絡みでちょっと悲しいことがあって、知人から誘われていた遊びの約束をキャンセルされてしまったのだ。


 一度私を含めた数人を誘ってくれていて、私も二つ返事でOKしていたのだが、ふと気になったのだろう、「そういえばお前、ワクチンは?」と聞いてきた知人。

「まだ先なんです」と答えた私。


 そして数時間おいて知人から来たLINEは次の通りだった。

「すまん、今回はやめとこうか。」




 聞くところによると彼らの職場ではとうの昔に集団接種があったらしく、誘った時点では「たいていの大人はもう受けているもの」という思いがあったのだそう。


 私も私で「どうしても予約がだいぶ先になってしまった人」や「接種自体拒否している人」が大勢いることを前提にして過ごしていたので、聞かれるまで全く意識していなかった問題だった。


 これについては、未接種なのにホイホイ誘いに乗った私が無神経であったような気もするので、おとなしく引き下がったというのが事のあらましである。


 結局その集まりは中止になったのか、私をメンバーから外してとりおこなわれたのかは知らない。なんか聞くのも悪いし。




 それで、ふと気付いた。

 私は「接種できていない」ことによる危機感をさほど持たないようになっていたのだ。

 早々に集団接種を受けた知人たちから見れば、私は相当能天気なヤツに見えたに違いない。


 たまに「ワクチンを打たない人がいるのは、彼らに危機感がないからだ」みたいな論法を見かけるけど、それは逆である人もいるんじゃないだろうか。


「接種したくてもなかなかできない人は、そのせいで危機感が薄れてきてしまっている」というケースもたくさんあるんじゃないだろうか。


 少なくとも私は後者だ。共感してくれる人がもしいたら嬉しい。




 さて。

 こんなちょっと寂しい体験を思い出しながら、「ワクチン!」と予定を書き込んだカレンダーを眺めてみる。


 前より、ちょっとだけ大事な日のように見えた。




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ic-Myn(いくみん)

 某大きな湖がある県の忍者の里に住むのんびりや。

作曲と楽器演奏と落書きが好きで、いちおう本業もそれ関係なのだが、それぞれの好きの配分は時期によってけっこう異なる。

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