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執筆者の写真ic-Myn(いくみん)

キティちゃんのポップコーン作るやつ

小さい頃、親に手を引かれ行った大型スーパー。


夕食の直前に立ち寄るゲームコーナー、買い物の間ワガママを言わなかったご褒美として手渡された300円。




何にいくら使うべきか自分で決め、そしてその結果満足ができなかったとしても文句を言わないように、という親の教育的な意図もあったのだろう。


私も幼いながらに色々考えて色々な使い方をしてきた。

「面白くないゲームに全部使ってしまったが、自分で決めたので仕方ない」。

「もともと好きだったゲームができなかったが、辛抱してまた今度」。

思えば親の教育はどうやら成功していたらしい。




そんな中、いつもゲームコーナーの中で健気に歌う「アレ」はいつも私の心を惑わせていた。


"ハローキティのポップコーン"だ。




毎度気にはなるのだが、女の子向けであったことや微妙に高い金額設定もあってのことだろう、どうしても実際にお金を入れるまでには至らなかった。


ある日は「やっぱりムシキング」、

またある日は「やっぱりメダルゲーム」、

またある日は「やっぱり太鼓の達人」……


いつか食べてみたいポップコーンには結局手を伸ばすことができず、

繰り返すうちに、気づけば大人になっていた。




そんな私が大人になった今でも、コック帽のキティちゃんは少しづつ場所を変えながらも同じように歌い続けている。


久しぶりに見かけたあの日、財布の中には何円入っていただろう。


その気になれば手にある小銭を投じることくらい造作もなかったはずだ。

けれどなぜか、自分から「手を伸ばせなかった」幼い日のノスタルジーを忘れたくなかった。


きっと今自分があの筐体に小銭を入れ、ボタンを押してしまったら、ポップコーンを得る以上に大きな何かを失ってしまう気がする。




そして幼い頃投じられなかった100円玉は、隣の自販機の缶コーヒーへと消えていった。





(※本文は、2022年6月YouTubeとニコニコ動画に投稿した動画のコメントと同内容です)

【コネタ】キティちゃんのポップコーン作るやつ



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ic-Myn(いくみん)

 某大きな湖がある県の忍者の里に住むのんびりや。

作曲と楽器演奏と落書きが好きで、いちおう本業もそれ関係なのだが、それぞれの好きの配分は時期によってけっこう異なる。

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